今日の日経新聞朝刊に強い懸念を抱いた記事が二つありました。
・施設閉鎖惑う「介護難民」
・恵泉女学園大学学生募集を停止
実はこの二つの事象は、河合雅司氏の「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」で預言されています。同書の初版は2017年ですから、既に六年前に日本に起きるであろう問題を看破していたことになります。
河合氏は主に人口統計から、日本の将来予測を考察しています。人口統計は実測値であり、今後の推移について精緻な予測が可能です。ために、十年後、二十年後の日本に何が起きるのかは自明の理として導出され、合理性が高い。
2042年、則ち今から二十年足らずで日本の総人口の三人に一人が高齢者となり、生産人口も激減する。若者は社会保障負担だけで無く、育児と介護を同時に行わなければならない「ダブルケア」に直面します。加うるに、ひとりっ子同士の結婚が増え、ふうふが各各の両親の介護をしなければならないとすれば、ダブルどころか「クワドラプルケア」となるのです。
河合氏は問題解決の一案として「戦略的に縮む」と謂う提案をしています。これは企業再生や事業再生でも選択肢の一つ。間違いではないと思いますが、当然に経費リストラや人員リストラを伴います。何を、誰を削減するのでしょうか。答を持っている政治家がいたら、是非ご意見を発信して戴きたいものです。