訳合がありクラブを置きましたが、ふうふはゴルフを趣味としていたことがあります。黎明期のフジサンケイクラシックが開かれたゴルフ場は、外祖父から父が承継したコースでした。10年よりも前ですが、父とふうふで毎週芝を刈っていたものです。父は所謂片手シングルで、飛距離ではだんなが軽く置いていくものの、スコアでは一度も勝つことは叶わず。
180センチを超える長身でしたが、力に任せるでなく綺麗なストレートボールを持ち球としていました。曰く口癖は、「上がってなんぼ」。
折り返しの休憩で、父はこちらの湯麺を食べるのが常でした。早い時間に出れば朝定食の残りを取ることもありましたが、大抵は具沢山で野菜の甘みと柔らかい塩みで啜り良い麺を皆でつるりつるりと。
本来ゴルフはコースと語り合うものでしょうね。だんなは父と、おくさんと話しながら芝生を歩くのが何より楽しみでした。今日は父の月命日。叶うならば、青い空に垂直に線を引く父の飛球と、湯麺の余韻にもう一度浸りたいものです。