ジム・ロジャース氏の「捨てられる日本」を読みました。著者については、世界三大投資家の一人であり、アベノミクスを厳しく批判し、矢鱈と北朝鮮を投資先として推している程度しか識りません。本書でもアベノミクスについては全面的に否定していると謂って良いでしょう。
「一流国」から「二流国」へ転落したかのように思われるこの国に、逆境の嵐が吹き荒れた。円安だ。かつて安倍政権が推し進めた経済政策・アベノミクスの「第一の矢」である金融緩和が尾を引き、日本銀行は紙幣を際限なく刷り続けた。これが近年の円安を誘引した。
まあ、慥かにそうなんでしょうけれど、アベノミクスの第一の矢である無期限の量的緩和は流動性の罠からの脱却を含む対症療法であり、日本経済の逆境の真因は構造改革による成長促進、則ち第三の矢が上手く刺さらなかったからだと考えています。
今後日本経済が被る悪影響や、少子高齢化による国力の低下が次世代を直撃すると謂う論調は正論だと思いますが、然程目新しい議論ではない気がします。日日の経済ニュースなどでも既出ではないでしょうか。
経世済民の将来予測については、悲観論も楽観論も幅広く目を通す方が良いのかも識れません。一時間程度で通読できます。ために、各論点を論判する知識修得に時間を費やしたいと思いました。抑、日本は「捨てられる」のか、それとももう「捨てられた」。だんなの軽い脳味噌では未だ判断がつきませんでした。