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円安は續くよ何処までも。

 

 2023年9月5日の日本経済新聞朝刊に「為替見通し、円安に傾く」と謂う記事がありました。「物価上昇を考慮した金利(実質金利)で米欧との差が縮まらず、通貨としての投資妙味が薄らいでいるため」だと分析し、通貨の総合的な実力を示す『日経通貨インデックス』で円の騰落率は8月が2.1%の下落と、ユーロを含む主要7か国(G7)の通貨で最大の落ち込みとなった」と報じています。

 日本経済新聞は良く「安いニッポン」と謂う惹句を用いますが、安いニッポンの何がいけないのでしょうか。喩えば、米国では物価が右肩上がりに上昇を續けていた一方、日本は「喪われた30年」に於いて物価も賃金も横ばいでした。本来、米国の物価が上昇し日本の物価が低位推移していれば、購買力平価により円高になる筈です。為替相場は物価の差に反応します。政府は異次元の金融緩和によって円安を惹起し、日本の対外的な物的価格を引き上げようと企図したものの、実際には日本の物は割安な状況が恒常化しています。加うるに、本来為替相場には影響しない「サービス価格」や「賃金」の持続的な上昇が確認がために不安要素となっている。国の財政収支も改善せず、少子高齢化により将来的な国力の低下は確定的で、社会保障制度維持の具体的な見通しも怪しくなっています。抑、購買力平価が実際の為替相場に反映されるには3年程度は必要ともされているので、当面は円安傾向に落ち着くのかも識れません。

 為替相場は様様な要因で変動します。円安による物価への影響は勿論軽視できないものの、短期的な通貨の高低を以て経世済民を語ることは重要なのでしょうか。現状では日本の物価格は「割安」なのですから、インバウンド需要が期待できます。着実な賃上げが果たせれば、国内の需要を喚起し、内外両面から円の貨幣需要を拡大することが出来る。其の過程を経て、金融緩和の出口戦略が定まれば、円高への反転が見られるのではないでしょうか。

 国民の生活が盤石で強固になり、合理的な政策方針を具備して国力が整えば、自ずと通貨は実力ベースで評価され価値は高まる。投機筋でもなければ、短期的な相場の変動は肝要ではないと考えます。