うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

終わりの始まり。

 

 今日の日経新聞朝刊の記事で気になった記事を引きます。

銀行団「90億円の借り換えに応じず」ビッグモーターに伝達

 中古車販売大手ビッグモーター(東京・港)への融資をめぐり、銀行団が借入金90億円の借り換えに応じない方針を伝えていたことが14日、わかった。保険金の不正請求など一連の不祥事で顧客離れが進み、融資を続けることのリスクが大きいと判断した。同社も銀行側の方針を受け入れ、週内に期限を迎える借入金を返済する方向だ。

 「銀行団」と書かれていることから、90億円は複数行による協調融資だったのでしょう。不正事案の拡大や各省庁による行政処分の行方、保険会社からの賠償請求等リスクの総量が把握できず、事業再建の方向感すら見えない状況では期限の利益を与えられないと判断したのだと思います。足許の現預金水準から、早晩資金繰り破綻に陥る懸念は少ないと整理した上での与信方針だと思われます。

 当社ホームページの取引銀行記載序列から、だんなはおそらく三井住友銀行がメイン銀行だと推量しています。90億円の協調融資のシェアも同行が一番高いのではないでしょうか。本件融資を除く既存借入のシェアで按分している可能性もあります。反社会的な行為が縷縷発覚するにつけ、低シェアの下位取引行が早早に撤退に舵を切ることは想像に難くない。とすれば中位取引行あたりまで、協調融資からバラバラと剥落していく事態となりかねない。剥落した銀行の与信に対する手当はどうするか。こうした局面で起きやすいのが所謂「メイン行寄せ」です。「弊行の融資はメインの三井住友銀行さん(仮定ですが)が肩代わりして下さい」と謂われかねない。メイン行として絶対に当社を支援し続けると謂う矜持があるならば返済要請一択とはならない筈です。どんな選択肢が考えられるでしょうか。

 喩えばリスク耐久度の高いメガ三行で引き受けて、半年間の期限の利益を供与し、其の間に、関連会社を含めて企業の財務内容、企業価値を第三者が精査した上で蓋然性の高い再建計画を策定する。次に保全固め。在庫等の動産、不動産、経営責任追及の為にも前社長や前副社長の個人資産を担保として徴求します。担保差入直後の破産は、管財人に詐害行為として取り消される懸念があるので、暫くは限界的に短期の資金繰り支援によって首の皮一枚繋いでおく。此処までにスポンサーを見つけて「ロイヤルファミリー」の株式保有割合を下げることが出来れば、革めて取引銀行を招聘することも・・・。

 やっぱり無理かな。メイン行も腹を括れず、銀行団もそう判断したのかも識れませんね。創業一代で事業規模を急拡大した企業は、大抵が情報開示には消極的で、借財は借り易く条件の良い銀行から無軌道に摘まみ食いすることが多いそうです。加うるに今回の不祥事の死屍累累ですから、銀行は手を切る時機を得たと考えたのかしらん。

 企業風土が腐っているので、自浄作用は期待できない。外部資本による支援も実現可能性に乏しい。前途多難の当社ですが、今回の件が「終わりの始まり」と決めつけるのは早計でしょうか。