うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

株を買うより時を買え。

 

 企業の四半期報告書の廃止を含む金融商品取引法改正案については、今国会での成立は見送られました。しかし、金融庁は上場企業が3ヶ月毎に提出する四半期決算短信の提出を、将来的には任意化することを検討している様です。此れって個人投資家にとっては如何作用するのでしょうか。

 だんなは、企業の決算を7期から10期程度、四半期毎に貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書の主要項目を抽出し、財務指標を分析することは実態把握の基本だと思っています。数値に大きな動きや異常値があれば、その原因に合理的な理由があるのかどうかを検証しなければなりません。喩えば、季節性要因に左右されない業種にも拘らず、特定の四半期に売上の集中や利益率の改善が見られる場合、必ず理由がある筈です。或いは、第三四半期まで低迷していた業績が、第四四半期で大きく盛り返しているにも拘らず、其の根拠が見当たらないとしたら如何でしょう。関連会社を利用した売上の水増しや、利益率の底上げをしている、所謂粉飾決算の可能性もあります。上場企業とて、粉飾なぞ有り触れた事象です。蒐集できる情報が多い方が良いに決まっています。

 勿論、証券会社のホームページなどでも推移を確認することは出来ますが、表面的な数値だけで無く、合併や不採算部門の閉鎖や代表者の交代や新業態への大規模投資の有無など変化の「裏取り」が大事です。そうした観点から、有価証券報告書決算短信は、とても便利なツールと謂えます。

 株式投資の銘柄選定について、キャッシュフローを判断軸として考える場合があると思います。喩えば、営業キャッシュフローがプラスで、投資キャッシュフローがマイナス。ためにフリーキャッシュフローがマイナスだけれども、財務キャッシュフローで其のマイナスを賄い、総合キャッシュフローがプラスとします。稀に「積極投資」を行っている銘柄として「まあ大丈夫じゃね?」的な論調があったりするんですけど、そうでしょうか。成長期の企業には見られがちなキャッシュフロー構造ですが、ちゃんと成長出来てるのかしらん。仮に、投資回収が進んで増収増益となっているとしても、フリーキャッシュフローをずうっと他人資本で補填しているとしたらどうでしょう。銀行が融資をしているならば、其の企業は「回収不能債権」です。いつまで貸し続けられるでしょうか。決算短信で、前四半期と長短借入金比率が変化していたら、短期借入金が増えていたとしたら、やばくないですか。短期借入金をロールオーバー出来なければ、損益計算書上は黒字でも資金繰り倒産に陥ってしまいます。

 なぞ考えていると、どうにもうら寂しい手持ちの私産を個別銘柄の株式に投資する勇気は、いつまでたっても持てないんですよねえ。