うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

銭形平次。

 

野村胡堂の小説「銭形平次捕物控」。長、短篇あわせて383篇が梓に鏤められたそうです。だんなは小説は未読です。識っているのはテレビ時代劇。平次が悪漢に天誅を下す必殺技、寛永通寶真鍮當四分錢の投げ錢に子供心を鷲摑みにされました。

最近、と謂っても江湖に3歩下がりで遅れているのでしょうが、「FIRE」という言葉を繁繁見聞します。Financial Independence(経済的自立)、Retire Early(早期退職)の頭文字を取った言葉だそうで。抑、人間的にも自立しておらず、節約は貧弱で投資には軟弱で肝の座らないだんなには、ちょっと何謂ってるかわからない。だんながFIREを実践することは花は折りたし梢は高し。知識として実装すべく本を読んだり、ネットで索めたりしましたが、やっぱりちょっと何謂ってるかわからない。

早期退職を果たすのに必要な貯蓄額は世帯年間支出額の25倍だそうです。年に300万円お錢が出て行かれるとして、7,500万円。あっしには係わりのねえことでござんす。それ木枯らし紋次郎なんですけれども。だんなにとっては平次の子分、八五郎が「親分、てえへんだ」と叫びながら飛び込んでくるお錢の総高です。平次も寛永通寶真鍮當四分錢を75万回投げないと、この金額には至りません。ルパン三世に用立てて貰うしか道は無しか。

現実逃避は手仕舞いしまして、FIREに関する書冊を読み下していると「お金に働いてもらう」という語彙によく行き当たります。お金がお金を生む結構を立てる、ということなのでしょうが、これもだんなにはちいとばかし骨の折れる咄。結句、「お金に働いてもらう」とは「頭を働かせてリスクを計量しながら投資によって余録を得る」ということではないのか。だんなの寝惚けた脳味噌では「お金が果てるていたらく」になるのが関の山。せえぜ働かせるなら、投げ錢くらい。お賽錢でも投じましょうか。