うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

時は金なり。

 

 経世済民の動向を観測する指標には様様ありますが、だんなの個人的に興味深い指数として「ブルームバーグ・サブダイアル・ウォッチ指数」があります。此れは人気の中古時計の価格動向を観測する指数で、亜米利加の経済や金融情報の発信を行っている「ブルームバーグ」と、英国の中古時計業者「サブダイアル」が提携して算出し公表しているものです。対象になるのは中古市場で最も取引されている上位50機種で、直近の内訳では44機種がロレックス、残る6機種はパテック・フィリップとオーデマピゲのようです。

 この指数が最近低下傾向にあるようで、其の原因はロレックスが中古市場での価格を下げている影響が大きいようです。では抑、中古ロレックスの価格は適正だったのでしょうか。

 略30年前は百貨店の時計売り場で普通にロレックスを購うことができましたし、なんなら家電量販店などで正規価格よりも安く販売されていました。當然、世界三大時計ブランドと謂われるパテック・フィリップ、バシュロン・コンスタンタン(個人的にはヴァセロン・コンスタンティンとして戴きたい)、オーデマピゲはそんな状況になったことは一度もありません。

 ロレックスは防水機能や自動巻き機構など、実用時計としての機能を徹底的に追求してきました。一方で、時計の三大複雑機構と謂われるミニッツリピーター、永久カレンダー、トゥールビヨンを備える時計は制作していません。生産するつもりも無いのだと思います。今や此れらの機構はクォーツ時計で安価に実装することも出来ますし、機械式腕時計はスマートウォッチの様にバイタルを管理できる訳でもないので、機能を絞り日乗的な使用に耐える機械式時計の供給を續けることを企図しているのでしょう。

 ロレックスの代表的な機種として有名で、需要が引きも切らない「デイトナ」も、当初は自動巻き機構を自社で実装することが出来ず、ZENITHの「エル・プリメロ」の振動数を落としたムーブメントを採用しています。好事家には珍重されるモデルとなっているようですが、面白い咄です。然し其れを良しとせず、自社ムーブメントを開発した気概も評価される点なのでしょう。

 ロレックスは今や正規代理店でも入手困難になっているようです。実用的で耐久性も高い「日乗使い」も可能な反面、月差はまあまあ怪しい。機能維持の費用も安くはありません。それでも中古市場で人気が大きく衰えないのは、所謂「転売ヤー」の影響もあるのでしょうか。

 此の状況は、ロレックスも認識している筈です。企業として転売を防止するならば、パテックフィリップの様に購入後2年間は保証書を発行しなければ良い。コロナ禍の影響など価格高騰の理由は多多あるのでしょうが、ロレックスが世界三大時計ブランド、いや五大ブランドになることも決して無いのですから。まあ俄時計好きの戯れ言ではありますが。

 

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