うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

ゴルフを騙り車を語らず。

 

 ビッグモーター兼重前社長の記者会見には何の意味があったのでしょう。自己満足の禊を済ませ、此の時機で辞任を表明したのは、ご自身が国土交通省による聴取の矢面に立つのを回避するだけの意図しか汲み取れません。

 極めて不十分な調査報告書でも、社員104人の不正請求への関与が指摘されているにも拘わらず「経営陣は認識しておらず、組織的な不正ではない」と繰り返すのみ。成る程、経営陣を除いた社員の間でシンクロニシティ、非因果的連関の原理が発生していたと謂う主張ですな。

 当社は2018年頃に粉飾会計が社内で発覚した際も、経営陣は詳細な調査を実施していません。経営指標を軽視或いは無視している。大抵こう謂う会社は、経理部門や人事部門、コンプライアンス対応等を経費の無駄遣いだと考えていたりします。実際、当社は苦情対応窓口が無い。不合理な降格人事が百出されている。経営体質が見事に反映されています。

 当社のホームページで企業概要を調べてみると、取引銀行の筆頭にあるのは「三井住友銀行」です。当社はM&Aで企業規模の拡大を図ってきましたから、そうした資金需要には銀行が関与している可能性が高い。だんなの個人的な見解ですが、シンジケートローンや、社債発行等、制限条項が付与された契約条件で調達を行っているのではないでしょうか。粉飾会計の発覚はコベナンツに抵触しなかったのでしょうか。或いは抵触していたとして、金融団による期限の利益喪失のウエイブ(猶予)か、アメンド(条件変更)が行われたのか。経営ガバナンスの効いていない会社なんだから、今度こそ甘やかさないで戴きたい。くれぐれも不正請求による賠償金に融資なぞせぬように。メイン銀行がトリガーを引いて、資金繰り破綻に追い込むと謂うのは現実的では無いので、せめて厳しい与信管理をお願いしたいものです。

 本人は否定していますが、社長を辞任したとて大株主としての影響力は強く残ります。周囲の忖度も続くでしょう。外部のコンサルティングファームでも入れて、根本から組織を作り変えないと再建は難しいのではないでしょうか。

 「ゴルフボールで事故の範囲を広げて傷をつくったのは器物損壊にあたる。ゴルフボールを靴下に入れて振り回して水増し請求するのは、ゴルフを愛する人に対する冒瀆だ」。今回の記者会見で、一番の吃驚大暴投は此の発言だと思います。顧客や車は冒瀆していないのか。球聖ボビー・ジョーンズは「ゴルフは耳と耳の間でするゲーム」だと謂ったそうですが、経営に関しても良く聴き(情報を常に集め)、耳と耳の間を使う(頭を使って合理的に判断する)ことが一丁目一番地です。出来ていないのですから、辞任ではなく「すぐ辞めて下さい」。

 終わりに、日本アマチュア選手権を6度制し「プロより強いアマチュアゴルファー」と謂われた中部銀次郎氏の言葉を引きます。

ゴルフで一番大切なのはアドレス。アドレスが間違っていなかったら大きなミスはほとんど起きない。