人日の節句に食べて、その年の息災や立身出世を祈願する七草粥。地方によって異なるようですが、「七草なずな 唐土の鳥と 日本の鳥が渡らぬ先に ストトントントン」と七草囃子にあわせて菜を刻み、お粥の準備をしたとか。
このなずなの俗称がペンペン草だと知ったのですが、なぜかちょっと腑に落ちない。子供だった頃に道ばたに自生するなずなを摘んで、でんでん太鼓のように鳴らして遊んだ印象が強いからでしょうか。様々な不調に効能があり、穢れを撫で払う縁起のよい草だとは知らず、大変失礼いたしました。煎じて洗眼すると、目の充血や痛みを和らげるそう。だんなの節穴では抜けて落ちるだけでしょうか。
北大路魯山人は料理とは理を料ることであり、合理的でなくてはならないと著しています。先人の知恵、七草粥も合理で不自然な無理をしていないのでしょう。とまれかくまれ、おくさんの料った七草粥を美味しく頂いたのでした。