うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

倍増する嘘。

 

 所得倍増計画をいつの間にかしれっと「資産所得倍増計画」にすり替えた国民負担倍増担当大臣が、資産運用特区を創設するらしいですね。講演の全文は読んでいませんが(読む気にもなれない)、2016年くらいから東京都が取り組んでいる金融系外国企業誘致なぞの丸パクリじゃあないでしょうね。本當に資産増加に効果がある施策であれば喜ばしいことですが、先ずは積み上がった企業の現預金と内部留保を確りと賃上げに活用すること、金融経済教育の充実が肝要だと考えます。

 国民負担倍増担当大臣の嘘と大風呂敷が膨張を續けるのは諦観するばかりですが、資産運用に関しては以前から肚落ちしていないことが一つあります。

 20世紀最高の物理学者と謂われる、アルベルト・アインシュタインが遺したとされる格言です。

 

The most powerful force in the universe is compounding interest.

 

 直訳すると「宇宙で最強の力は複利である」とされ、證券会社のホームページや資産運用のブログでは概ね必ず行き当たります。慥かに資産形成における複利の力は疑いようがありません。なのですが、アインシュタインがこんな俗っぽいことを謂うでしょうか。他の名言や格言に比べると、どうも彼の世界観とか人生観と擦り合わない気がするのです。

 アインシュタイン複利についての発言は、この外「世界で8番目の不思議だ」と述べたとするものもありますが、索めても今ひとつソースや発言の年代、舞台が定まらない。ために、どうも信認できません。

 原文(とされるもの)も「compounding interest」と「compound interest」に分かれていて、此処も定まらない。「compound interest」であれば「複利」で決まりなんですが、わざわざ現在分詞を使っているとすれば、何か理由があるのでしょうか。

 抑、アインシュタインは宇宙は定常で大きさは不変であると考えていました。彼自身が導入した重力場方程式では静止宇宙が得られないため、宇宙定数なるものを加えて、永久不変の宇宙を理論的に維持したと謂われています。

 その後エドウィン・ハッブルの観測により、宇宙が膨張していることが示されると、アインシュタインは宇宙定数を「生涯最大の過ち」として忌み嫌ったそうです。さらに後年に革めて評価されるのですが、本記事では割愛します。

 宇宙の謎を解明するには、単独の学者では手に余るでしょう。天才アインシュタインですら自身の過ちを恥じたほどです。経験を通じて理会した「宇宙で最強の力」は本當に「複利」だったのでしょうか。

 「interest」の語源は、「関係する、違いを生じる、重要である」を意味するラテン語のinteresseとも考えられています。

 結句、だんなは

 The most powerful force in the universe is compounding interest.

 宇宙で最強の力は結合した或いは混合された異なる関係性である

 と手前勝手に捉えています。