うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

教授の方法序説。

 

 我思う故に我あり。

 突然の訃報に悲嘆の止まない坂本龍一氏は、中学時代からデカルトの「方法序説」を手に取り、哲学に親しんでいたそうです。だんなは未だに理会が及んでいません。天才とは斯くも高みに在るものなのですね。

 方法序説の刊行当時の正式名称は「理性を正しく導き、学問において真理を探究するための話。加えて、その試みである屈折光学、気象学、幾何学」だったそうです。方法序説は正にその序文ですが、中学生で本書を読解し藝術の本質を捉えていたのでしょうね。トニオ・クレエゲルの凡たることよ。彼曰く、

芸術で腕を試そうとする人生の姿ほど、あわれむべき姿があるでしょうか。ディレッタントであり、溌剌たる人間であって、しかもその上、折に触れてちょいちょい芸術家になれる、なんと思っている人たちほど、われわれ芸術家が根本的に軽蔑する者はありません。

と自身の才能を懐疑することを識らない。偽を凡て潰してこそ、真の藝術は成立する。然様「藝術は長く、人生は短し」。

 だんなは音楽には素養がなく、精髄を得ることが出来ません。ために、氏はどんな本を読んでいたのか。叶うならば、蔵書を、本棚を拝見したいと思うのです。