うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

鷄が先か卵が先か。

 

 吉田健一氏は「莫迦野郎」解散で識られる吉田茂元宰相の子息で、自民党副総裁の麻生太郎氏は甥にあたる政治との係わりの強い家柄にありながら、ご自身は英文学者にして食に精通したグウルマンでありました。亦た大層な吞兵衛だったようで、辻留の店主である辻義一氏によれば「血を吐いたあとのお酒っていうのはうまいんだ。喉がちりちりとしていい気持ち」と酒を吞んで血を吐く程度では怖めず臆せず。人物ですなあ。

 吉田氏の著書「舌鼓ところどころ/私の食物誌」には日本全国各地の美味いものが縷縷綴られています。どれも面白いのですが、取り分けだんなが興趣を惹かれたのは「プリマス・ロックという種類の鳥」というエセー。

 プリマス・ロックは亜米利加原産の鷄の品種で、明治までに日本に輸入され定着した品種であることから、日本在来種とされています。体躯が大きく、肉も卵も美味しいらしいのですが、どうも通販などで索めてみても行き当たりません。岡崎おうはんと謂う交配種なら手に入りそうなんですが。

 

プリマス・ロックは皮が厚くて焼いても揚げてもこんがりと上がって鳥類の滋味を湛え、北京料理で家鴨の皮とその下の肉を薄く削いだのを煎餅の皮で包んで食べるのにそう劣るとも思えない。《中略》そういう鷄だから卵も立派なものである。第一に大きくて普通の卵の倍近くもあり、そしてこれは鷄の卵の匂いがする。

 

 うーん、食慾を煽りますね。以前記事にした「カノンホールマスカット」もそうですが、手に入らないとなると余計に思いが募るものです。 

 

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 在来種の肉や卵を取り寄せられないものか。今少し調べてみようと思います。さて、鷄が先か卵が先か。