俳人の夏井いつき先生の著作「絶滅寸前季語辞典」は巻末の解説にある通り「読んで楽しむ季語辞典」と謂えます。抑、俳句の季語なぞ数えるくらいしか識りませんが、此れは絶対に詠み人が居ないだろうとものが縷縷挙げられています。
冬の季語で特に変わり種なのは、12月8日カトリックの祭日「聖胎節」の副題で「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日(どうていせいまりあむげんざいのおんやどりのいわいび)」です。おそらく一番長い季語でしょう。夏井先生も「それにしてもこりゃ、ほんとに季語なのか」と書いておられます。季語だけで25音あるので、いきなり8字余りの破調になってしまいます。正調の俳句は詠めません。矢張り俳句の世界は奥が深すぎて理会が及ばないです。いつか絶滅寸前の季語を詠んで愉しむことが出来るでしょうか。
童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日と歳時記に 正木ゆう子