うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

今はもう光らないその時計。

 

 最近何かと取り沙汰されている「トリチウム」。だんなも拙ブログで何度か福島第一原発処理水の海洋放出を取り上げましたが、今回は異なった視点で捉えた記事です。

 ご存知の方も多いと思いますが、トリチウムは発光塗料として腕時計に使われていました。1950年代から1990年代のロレックスも採用しています。現在では腕時計の発光塗料はルミノバが主流になっています。トリチウム放射線が腕時計職人の人体に与える影響を考慮したことと、危険物として扱われるために輸出入が難しいと謂う理由からです。職人が文字盤を手塗りしていた頃は、トリチウムが直截人体に接触するので影響を大きく見積もったのでしょうが、當然乍今ではトリチウム文字盤の腕時計を常用したとて健康上の被害は無いとされています。

 稀少性が高いとされるロレックスのトリチウム文字盤には、6時の位置に「T」や「T<25」の表示があり、見分けるのは容易です。一方半減期が約12年ですので、それ以降は発光しなくなってしまいます。とは謂え修理や補修を行うとルミノバで上書きされてしまうので、本来の価値を喪う畏れもあります。

 父が忘れ形見として遺した腕時計はもう暗所で光ることはありません。ですが、可能な限り今の状態で使い続けたいと思っています。

 

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