うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

茹玉子。

 

だんなが料るのは至極希です。「男子厨房に入らず可し」を体現しているのではありません。抑、君子でも武士でもないですから。成果物が不味いものと洗いものに帰結する痛ましい結果を予見しての判断です。

料理か否かという議論は横に置いて頂いて、茹玉子に立ち掛かりました。雄渾と煮滾る湯に剛毅果断に玉子を浸漬させ、生生世世永劫無極と思える時間が過ぎるのを慧可断臀の覚悟で堪え忍びます。計時機が龍吟虎嘨と吹鳴するや、忽ちのうちに鉄火起請恐れじと鍋を掴み銀河倒瀉の如く冷水を放ち…ー あー、もういいや。沸騰したお湯から茹でた為か、冷えていくうちに空気が抜けるのでしょう。玉子がチチ、と鳴きました。

出来上がりは可もなく不可もなし。おくさんに任せきりの御厨子所ですが、嘉肴ありと雖も食らわずんばその旨きを知らず。実地を踏んでこそ価値が分かると胸に留めました。

 

亀鳴くや空気抜け洩る茹玉子