うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

雄弁は訴 沈黙は禁。

 

 「雄弁は銀なり 沈黙は金なり」は沈黙は時に発話に優ると謂う意の諺だと理会しています。古代では金よりも銀の方が価値が高かった時期もあった様ですが、この諺が広まった年代の金銀比価を考えれば沈黙に軍配が上がるのでしょう。

 今日の日本経済新聞朝刊に「自民党の『勝利の方程式』」と謂う記事がありました。結論は「いかに無党派層を投票所に来させないかが、いまの自民党にとっての勝利の方程式である」「次の衆院選自民党が勝とうと思えば、いかにして投票率を下げるかがやはりカギを握る」と引き出しています。ならば該党が弄する権謀術策は国民が政治に関心を持たないようにし、投票を面倒な作業にすることでしょう。投票日を連休の中日に設定する、オンライン投票の導入を遅らせる、選挙の争点を明確にしない、民間報道を賦活させない、なぞです。自民党にとっては「国民の沈黙は大金星」なのです。

 然る芸能事務所の前代表者による性加害問題について、現代表は「個別の告発内容について事実と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではない」と発言しています。抑、謝罪文も衍文ばかりで意図するところが全く伝わってこない。2003年に東京高裁は、週刊文春による所属芸能人の性被害報道について記事の重要部分は真実であると認めています。経緯を積極的に伝播しない報道機関の姿勢にも懐疑心が拭えませんが、結句、該芸能事務所では前代表の発言や認めたことのみが「事実」なのでしょう。第三者委員会は設置しない様ですが、資本金一千万円の同族企業に自浄能力があるのが甚だ疑問です。斯様な中で、勇気を奮い被害を訴えた方々の雄弁こそまさに「金言」だと思います。

 沈黙は時には美徳かも識れませんが、時流の速い当代で流れに棹さすには、雄弁な主張や議論も必要でしょう。

 操觚者(ジャーナリスト)は「免許の要らない仕事」と謂われます。無免許で流言を操る二流三流の輩にだけは、ずうっと沈黙して戴きたいと思いますが。

 

f:id:eight8eight_888:20230521105541j:image