うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

苦しいときの神頼み。

 

ユニクロなどを運営するファーストリテイリングが、従業員の年収を最大4割引き上げると発表しました。末の官房長官、元い、松野官房長官は「前向きに評価したい」と言っていますが、当初の岸田首相の公約であった、「成長」と「分配」についてはそろそろ具体的に且つ真摯に着手して頂きたい。抑、評価するとか謂う立場に居ないでしょう。民間企業の努力を恃んでいるだけで、責任を果たしたと主張したいのしょうか。どんだけ面の皮厚いねん。

野村進氏の「出雲世界紀行ー生きているアジア、神々の祝祭ー」を読んでいます。出雲、石見には個人的な思い入れもあり、本書の魅力も相俟って、丁寧に読み進めています。書中、本来なら幸せにつながる縁結びの話で、胸が潰れるような話がありました。東京の「縁結び神社」として識られる台東区今戸神社の女性神主の言葉です。以下、引用です。

神社って「心のお医者さん」だと思うんです。ここに来る人たちの顔を見ると、若い子でもみんな疲れてますよ。心を病んでるような子もけっこういます。”ニート”とか、”非正規雇用”とか、安いおカネで働かされて、出世も望めないし、スマホとゲームと、あとはたまにユニクロで買い物するぐらいが楽しみで、恋愛に悩んでいる子も多いし、泣きながらお祈りしている子もいます。そういう子たちは神社に「助けてほしい」って来てるんです。

涙が出ました。こう謂う若者の未来を、政府はしっかり開いて欲しい。安心してユニクロで買い物をして、成長して、分配を享受できる社会を実現するために何をすべきか考える時間と労力を費やして欲しい。諸外国の首脳と会うのも良いですが、今やそんなことはリモートでも出来る。本當に対面が必要な時もあるでしょうが、面談して握手して、仕事しましたってドヤ顔されても納得できません。経費に見合う成果物を出して戴きたい。

抑、少子化対策に「異次元の」なぞ、意味不明な語彙を用いる時点でシナプス凡て腐ってますよね。実次元で有効な政策運営が出来ていないのに、「異次元」て何ですか。サイババですか。ノストラダムスの大予言ですか。ちゃんと足許を見ろってんだ、莫迦若い人たちが疲れている世の中が良いわけがない。

「苦しい時の神頼み」とは、追い詰められたときに神仏の見境いなく助けを求める身勝手な行いとされていますが、すがるものがない若者を助けるのは誰でしょうか。涙を流しながら、神頼みしか出来ない、辛い思いを抱える若者がいる社会を望んで、働いている人は一人もいない筈だと信じています。政治家、いや選挙屋以外には。

 

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