うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

栗より美味い十三里。

 

栗(九里)より(四里)美味い十三里。江戸時代後期の焼き芋を売り出す口上だそうです。京都では栗には及ばないので「八里半」と焼藷は半歩下がっていたようですが、江戸に伝わり出世を果たします。江戸っ子の洒落好きが名を上げたのかも識れません。

焼藷を食べたのは、何十年振りでしょうか。最近は移動販売以外の購う取りつきも増えているのに、親しみ薄くなっていました。

小学校から帰る道すがら、同級生と小遣いを出し合って移動販売で購った焼藷ひとつ。3つに分けて食べました。数少ない焼藷の思い出です。だんなの駄舌は味を覚えていませんが。

久し振りに手にした焼藷は、熟成して甘みを増した果肉から蜜が浸みだしています。歯を使うのは一瞬だけ。滑らかに舌でつぶれて、ふうわりと甘みを残して消えていきました。疎遠となっていた日日を憾みながら、御馳走様でした。

 

焼藷の小さい方をそつと取り

 

焼藷の熱さに舌まろがす犬

 

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