うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

競技的流儀。

 

ふう。遠乗りも良いが、いつも同じような道行きでは流石に退屈だな。主を背に乗せ、そう思うものの、こうして日頃私を騎行してくれるのだから不平を謂うては罰が当たる。ならば今日も始終、主に負担を掛けぬ並足で四足を進めるように気を配っていた。

不断と変わらぬ往路。天候も穏やかで、気を病む正体は見当たらない。然し私が感じる鬼胎は何であろうか。良く分からなかったが、何とはなしに自分の中に棲んでいる凶猛を先見し、懸念していた。自分は主に忠実な駿馬の筈ではなかったか。

遠乗りの帰途に就いて幾許も無く、主は鐙を強く前に二息押し込んだ。時無しの遠乗りと気を緩めていた私は、驚愕することとなる。あろうことか、主の合図を受けて、私の従順は全て独善と気随に化生してしまった。主の範疇を逸脱し、私は能力を限度まで尽くさんと欲している。最早、主の声も手綱の捌きも認知できない。ために、己の限界を奪い取る走りを獲得していた。主の制止が届かぬ悍馬となって尚、私は後悔はしていなかった。己の稟質を識ることが出来たのだ。これからは、いつでもこの膂力を発揮しよう。私、アルファロメオ4cスパイダーが、主の助けとなるならば。

 

アルファロメオ4cスパイダーは、累計走行距離が1,000キロメートルを超えると、「アルファレースモード」を選択できるようになります。ざっくり謂うと、機械的な助力の機能が限定され天稟の性能が剥き出しになる、それだけの記事です。