うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

50-1 スナッフルスのチーズオムレット。

 

紫蘭や右手(めて)に猪口左手(ゆんで)に大福。ふうふは飲み手ですが、甘い物も取ります。函館の洋菓子、スナッフルスのチーズオムレットはお気に入りの一つ。偶さか近間に期間限定で出店しており、早速贖いました。

創業者は「函館を出ず」を信条としており、有楽町や札幌に店が出たのは暫く時を経ててから。2代目の社長になって纔かに旗幟鮮明に蔭りが生じたのでしょうか。それでも内地では物産展など求める機宜を得難い一品です。

比類のない食感とくちどけを得るために絶対に冷凍しないのも信条。こちらは一分一厘の矯めもないと思われます。ふうわりとあたり、はらりとこわれたら口に残るのはチーズの残り香だけ。見目形と名実一体のかどのない、なよやかな味わい。心地よく気分も柔らかくなる無二無三のオムレットです。右手にワイン左手にチーオムなぞも逸楽かと存じます。

お取り寄せも可能ですが、ふうふは盲亀浮木の時宜を得るまで俟つことにしています。そのほうが層一層味わい深くなると思うのです。

箱の裏、製造者欄には「有限会社ペシェ・ミニョン」とあります。ペシェ・ミニョンは仏蘭西語で小さな罪という意味も持つようで、薔薇にも同名の品種があるとか。美しい薔薇には棘がある。小さな罪も重ねれば皮下脂肪は大きく肥え太る。何とも罪作りなお菓子であります。