元暮しの手帖編集長で、書店経営をされている松浦弥太郎さんの「日々の100」、「続・日々の100」を読みました。著者はまえがきで「この本で僕は、日常生活の中でつきあっているモノを100選んで、そのモノとのつきあい方や出合い、想いや記憶を、あれこれと自由に書いた。ごく近しい親友のようなモノから、出合ったばかりの新しい友だちなモノまでモノはいろいろある」と書いています。「100のモノなら、なんとか揃うだろうと思ったのは浅はかだった。モノであろうと100となると尋常ではない」と塗炭の苦しみだったかと思いきや、2冊で206篇のモノがたりを練り上げています。だんなも100のモノ一覧を作成しようと立ち掛かりましたが、何とか50を吐き出すのがやっとの有様でした。年齢は然程違わないんですが、人生人品の厚みが足元にも及ばない証左なり。
一篇が一枚の写真と600字程の短文で構成され、モノと著者の関係性を纏めています。写真も文章も清潔感があり、著者の暮らし方を湛えるよう。手本と見習うには、だんなでは荷が勝ちすぎます。
正続2冊から心惹かれたモノたちを列叙しますと、
・種子島の種子鋏
・SMYTHSONのアドレス帳
・理容米倉の耳かき
・デュアリット社のトースター
・梅好の京ちらし
・新美南吉の「ごんぎつね」
・松田のマヨネーズ
・78年式ポルシェ911S
孰れのモノも著者の愛用品。写真も自身で撮影されたそうです。
向後良いモノと出合い、永く大切にと思いもうけますが100に届くのは何時になるでしょう。
不日だんなが一粒えりした50のモノを逓次撰します。全く面白くない、くだくだしいこと請け合いですが、それでもお付き合い頂けたら幸いです。