うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

桜餅。

桜は散り、桜餅も見られなくなりますね。関東の長命寺、上方の道明寺。どちらを好むか意見の分かれる和菓子でしょう。もう一点、桜の葉を食べるかどうかにも一家言お持ちの方が多かろうと拝察致します。先日63回椿寿忌を終えた高浜虚子の句「三つ食へば葉三片や桜餅」。虚子は残葉流の門人だったのです。そんな流派無いんですけれども。1904年の句ですから、東京に現住していた筈です。塩漬けの伊豆枕崎産大島桜の葉で包まれた、関東風の桜餅でしょう。だんなは丸ごと戴きます。

虚子を後継者と矯めていた正岡子規長命寺発祥の山本やに寄宿した折、看板娘と相愛の仲と蜚語されたそうです。虚実定かではありませんが、「葉にまきて出すまこゝろや桜餅」という句を読むや如何に。子規は百余りの俳号を持ち、「漱石」もその一つ。同窓生夏目金之助の下宿に同宿し、「漱石は今友人の假名と変ぜり」と残しています。夏目漱石が度が過ぎる甘い物好きが起こりで、糖尿病を患っていたのは著聞しい話です。「鐘つけば銀杏散るなり建長寺」の漱石の句に子規が返したのが、有名な「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」とも。こちらもニ山の寺違い。

ふうふは飲み手ですが、甘味も好きです。桜餅3つはちいと荷の重いお題ですが、おくさんの拵えた濃いお茶でお下がりを戴くとしましょうか。

 

桜餅どちらも美味しニ宇の寺

 

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