うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

机。

<p>今週のお題「デスクまわり」</p>

 

ふうふの住まいは渺渺としたもので、書斎なぞ事事しく構える余裕はありません。机と本立、抽斗を細々と詰め合わせ、仏壇も収まる家什で仕事や書き物をしています。瘤杢一枚板の重厚な文机は憬れますが、杢目の艶にあてられて座に合わせた仕事ぶりになりそうですし、何より置き場に困ります。

向田邦子さんの随筆「眠る机」に写生された、イタリー製の机。黒い漆のような仕上げで、モダンななかに気品とやわらか味のあるデザイン。「銀座の輸入家具を扱う老舗の奥まった一隅に、ゆったりと置かれてあった」そうです。思い悩むうち、売約済みになってしまい、思わず覘いた札の裏には田中絹代様と書かれていたとか。小柄乍華やかな大女優か或いは同姓同名の異人だったのでしょうか。

華も雅もない拙い寄木細工のようですが、ふうふの慎ましく大切な品品を仕舞い込んだ机まわり。整理整頓で人後に落ちるだんなとしては、さげの無い、いえ閉まらない話にならないよう気を締めたい。以上、今週のお題手仕舞いでございます。