うちのふうふとエイトのこと。

黒トイプーのエイトや車。ふうふの日常について。

変身。

 

仮面ライダー本郷猛は改造人間である。彼を改造したショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社である。仮面ライダーは人間の自由の為にショッカーと闘うのだ。ライダー、変身!

ではなく。

新潮文庫版のフランツ・カフカの著作、変身を再読しました。初読はだんなが小学校高学年の時です。正しくは当時通っていた塾の講師に「読ませられた」、使役受身でした。

「ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した」。冒頭の一文で脳内に汲めども尽きぬ疑問符が点じます。ザムザは変身した自分、家族や仕事のことを思い巡り焦りを募らせますが、事態は改善や収拾には動きません。感情や悲哀が薄れていくザムザの心に歩調を合わせる様に、家族の内面も変身していきます。

知能指数600の天才でスポーツ万能。科学者にしてオートレーサーである本郷猛。悪の組織の改造手術により、飛蝗の能力を持つ超人「仮面ライダー」となります。体内の超小型原子炉により時速240キロメートルで走り、キックの衝撃力は90トンと激甚苛烈。しかし自ら望んで得たものではなく、努力が昇華した結果でもない能力により、「人間でありながら人間ではない」窮愁の身に陥ります。

だんなも加齢が起こりで諸諸劣化が進んでいます。意思に反した姿に変身しないように、使役受身ではない日日を暮らそうと思います。

 

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